まぶしすぎる先輩
その先輩は、普段からハイブランドの服をカッコよく着こなし
バッグや靴も決して手を抜かないそれはそれは華やかな先輩でした。
会話の中にも外国人の彼氏やセレブなパーティがさらりと出てくるのに
全く嫌味に聞こえない謎の話術も持ち合わせておられました。
年は2つほどしか変わらないのに、田舎から出てきたばかりの私は
ドラマに出てくる都会の女性は実在したのかと眩暈がし、
自分とはかけ離れた存在を目の当たりにして劣等感の塊と化していました。
刺さった言葉
そんな私にも気さくに話しかけてくれる先輩との何気ない会話の中で
突然その金言は飛び出しました。
「無駄なものは一円でも高いからね」
あのキラキラした先輩の口からそのようなセリフが飛び出すとは思わず
一瞬脳がバグっている間に
「無駄なものには一円も払いたくない」と改めて言い放った先輩。
セレブな匂いしかしない大人の女性が、一円という単位を持ち出してきたことや
それを「高い」に結び付けたことでスッと入ってこなかったのですが
脳が正常になると、やっと極めて真っ当なことをおっしゃったのだと理解できました。
意識低い系だったあの頃
当時の私は親元を離れるやいなや、好きなものを好きなだけ食べることと
バイトで稼いだお金で親の目を気にせずに買い物を楽しむことを覚えてしまいました。
しかし、所詮は学生のバイトです。欲しいものの総額と使える額は全く釣り合わず
あれもこれも買いたいという欲に負けて、結局は“本当に欲しいもの”より
1ランク、2ランク下げた安価なものを買ってしまうのでした。
その結果、下手すると1年くらいでそれらの魅力が感じられなくなって
同じような別のものに手を出すということを繰り返していました。
そんな反SDGsな私の目を覚まさせてくれたのが
「無駄なものは一円でも高い」という先輩のお言葉です。
お金に対する感覚は人それぞれで、どう使っても自由だと思っていますが
私は使い方にポリシーを持っている先輩がカッコよく見えました。
それ以降も買い物で失敗することは多々ありますが、金額の高い安いよりも
本当に納得するかどうかで判断しようと心に決め、今に至ります。
最近買ったもの
そんな私が最近納得のうえ購入したのがこちらの「蛇口にかける収納ホルダー タワー」です。
それまでは引っ越しのタイミングでバタバタと取りそろえた“シンクのコーナーに
置いて使うタイプ”の収納台を使っていました。
置いてあるだけなので、しょっちゅう落ちてしまうのがストレスだったのですが
何度もこの商品を目にしているうちに、しっかりと蛇口に取り付けられるところや
シンクの上に物を置かなくてよいところに惹かれ、満を持して購入しました。
実際に使ってみると、背面に脚が付いていてシンクと密着しないようになっている構造が
思った以上に便利で、とても気に入っています。
こんな風に柄の長いブラシも置けます。
洗い場の中に設置するので、狭さを感じている方は外に置くタイプの方が良いかもしれませんが
限りなく無駄なスペースを取らないデザインになっているなぁと感じます。
欲望の赴くままに物を買っていたあの頃も楽しかったですが
吟味して買い、使いながら価値を噛みしめられるようになった今の方が満足度は高い気がしています。